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ページは白紙のまま。
こちらに戻ってきてしまう事が増えてきたように思える。
あの島の出来事は全てが鮮やかに色づいていて何もかもが美しく輝いている。
それに比べて私がいるこの場はどうだろう。
「…何もない」
光だけの空間。
それしか知らない頃はこんな風に考える事も無かった。
私は他者の願いを叶える為だけに存在し、自我を持たないように作られているから当然のことなのかもしれない。
ふと思った。
私はいつから『外にでたい』と願うようになったのだろう。
凄く大事な事のはずなのに、その事について考えると記憶が薄れていくように感じられる。
覚えているのは暖かい手の温もりと私を真正面から見る眼差し。
願いを叶えにきたはずのその人に、私はいつものように問いかけた。
貴方の願いは?
そしてその人は答えた。
『 』
理解できない願いだったのは覚えている。
でも思い出せない。
呆然としていたであろう私に向かってその人は
『もういいんだよアイン。いや、アリア』
懐かしい、昔誰かにそう呼ばれていた覚えがある名前を呼んで。
私の手を握って。
「アイン君、朝だよ…?」
まどろみの中で聞こえてくる遠慮がちな小声。
てぃてぃーの声じゃない。
「んー………てぃてぃーどこー…?」
「いや、うん、ゴメンなさい。非常に申し訳ないんだけどティティアナさんはここには居ないよ」
「…ぅー…」
ぱちぱちと瞬きしてからすぐ目の前に居る声の人物を見つめる。
茶色の髪に赤と金の瞳。
うつぎだ。
「うつぎーだーよーおはよーだよー…」
挨拶代わりに再度抱きつく。
「うん、おはよう」
にっこりと微笑んで背中をぽんぽんと優しく叩いてくれた。
背中に羽根が生えてから普通に背を下にして寝れなくなってしまったけど、たまにこうやってうつぎに抱きつきながら寝るのはスキ。
うつ伏せで寝ることもできるけどやっぱりあったかいほうが安心できる。
できれば毎日一緒に寝てほしいけど、何だか視線が怖いからダメらしい。
どういうことだろう?
そんなことを考えながらもまだねむくて目をつぶりかけると、唐突に目のあたりを指で撫でられてびっくりした。
「…アイン君怖い夢でも見たの?」
「ぅ??」
知り合って一ヶ月も経ってないけど、うつぎは感情が表情にそのままでるので色々とすごいわかりやすい。
今もすごい心配そうな顔をしてこちらを見つめている。
でも今日みた夢はまったくおぼえていなかった。
「ん??夢なんておぼえてないんだよ?」
「…そっか。ならいいんだ。そろそろ朝ご飯食べようか。今日はアリアちゃんがパンケーキ焼いてくれてるみたいだよ」
「ぱんけーき?生クリームのってるかな?かな??」
「甘い匂いがするからあるんじゃないかなぁ?」
「ばんざーい、だよー」
まだ少し眠いので目を擦ってから起き上がろうとして、そこで初めて自分が泣いていたのに気がついた。
「…あれ?」
うつぎに言われた通り怖い夢でもみてたのかな。
全然思い出せないのがなんだかちょっと困る。
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